みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
管理人のかざひなです。
みなさま、国語辞典好きですか?管理人は好きです。特に『新明解国語辞典』が好きです。
学生時代に衝撃を受けた辞書第一位でしたね。
また読みたいなぁと思い「第八版」を買ったのですが、かなりマイルドな説明になっていたので少し寂しさを覚えております。
まぁ、面白いんですけど!
お手軽に寂しさを感じたい方はこちらの本を読んでから八版を読むことをお勧めしますよ。
新明解国語辞典は最初の頃の説明が最高に尖ってて面白いので。
新明解国語辞典は「読む」辞書である
国語辞典ってさ、本来意味のわからない言葉を調べるために存在していると思うのね。
実際、管理人もそう思ってた。
だけどね、新明解国語辞典って「読ませる辞典」なのよ。
ちゃんと意味を調べることもできるんだけど、結構二の次ぐらいになってしまう。
これは、授業中に発見したんだけどさ、授業中暇な時あるじゃん?
そんな時に目の前に国語辞典があってさ。何気なくペラペラとめくって見たわけ。
自分が知っている言葉を調べたらなんて書いているんだろうって。
そうするとね、「え!?」「いやいや!!言い方あるだろう!」って文章がごくたまにポロポロ出てくるの。
そして面白いことに意味だけじゃなくて例文でも面白さを発揮してくる。
そうするともう「他に面白い言い方をしている説明はないだろうか」とページを捲る手が止まらなくなる。
もうね、意味も含めて小説を読んでいるようなのよ。
例えに人間ドラマがあったりするんだよ…
いがい⓪ーグワイ【意外】
中略
内情はーに深刻なのかもしれない
新明解国語辞典 第八版 より
一体どんな話を聞いてしまったんだろうか…きっと気軽な感じに「いいじゃん話してみなよ〜」とか言ってしまって「どうしよう、私じゃ手に負えねぇな…」ってなってしまったのかもしれない。あるある。
そしてたまに読者に向けている(と管理人が勝手に思っている)メッセージがあったりする。
八版のこのあたりなんて、時代を反映させているなぁとも思う。
まとも
中略
高齢者医療制度について若い人にもーに考えてもらいたい
新明解国語辞典 第八版 より
はい、すみません。いつかは高齢者になりますもんね…そろそろ岸が見えていますがあんまりまともに考えていません。すみません。
賛否両論あるだろうけど、管理人、新明解国語辞典のそういうところ大好きだよ。
ちなみにね、第四版までは例文が結構小説気質で、人物が出てきます。
なんならこれ次版に続くんだよね?伏線なんだよね?みたいな寸止め小説(という名の例文)が出てきます。マジで読んでほしい。一緒に気になってほしい。
個人的に好きな説明をご紹介
ここに載せるのはほんの一部なんだけど!
とりあえず最新の第八版から好きだぁって思った説明をご紹介。
絞るのが難しいけど…行ってみよう
気違い
きちがいーチガヒ【気違(違)】❶③常人とは異なる精神世界に住し、その言動が常識とは相容イれない△こと(人)を指す差別的表現。「ーに刃物」
新明解国語辞典 第八版 より
この一番目の説明がなぜかとても納得がいく一品。
確かに特殊な世界に住んでいるお方たちだよね。なんというか、その世界の常識は通用しない世の中なんだよ、そうそう。
裏を返せば常人だって特殊な世界で生きてたらもれなく気違いとして扱われるわけよ。
それにしても物騒な例文だよ全く。
何その「鬼に金棒」的なやつ。めちゃくちゃ強いじゃん。怖い。
植物園
生態を公衆に見せ、かたわら資源確保・研究をはかるため、多くの植物を系統的に集めた施設。
新明解国語辞典 第八版 より
なんだろうね、なんか分からないけど恥ずかしさを感じてしまうやつ。
公衆側なはずなんだけど、植物側にいる気持ちになるやつ。
やめて!みーなーいでー!
水族館
水中に住む動物を飼って公衆に見せる施設。
新明解国語辞典 第八版 より
その通りなんだけどね。その通りなんだよ。
なんだろう、何かがチクチク痛む。
動物園
捕らえてきた動物を、人工的環境と規則的な給餌とにより野生から遊離し、動く標本として一般的に見せる、啓蒙を兼ねた娯楽施設。
新明解国語辞典 第八版 より
もうね、新明解国語辞典といえば「動物園」ですよ。
これでも説明がマイルドになったんだよ。
第四版の説明なんてなかなかの怒りが混ざってるからね。
第四版の人間味あふれる説明はぜひこの本を読んでいただきたい。
人間のエゴですまねぇ…すまねぇな…こいつらもう二度と野生では暮らしていけないよな…
どっちがいいんだろうね、絶対安全環境で生きるのと危険と隣り合わせだけど今日を生き抜くのと。
まぁそんな考えですら、彼らの前ではただの人間のエゴに過ぎないんでしょうな。
生身
生命体として生理的制約を受ける一方において、意志や感情を有する存在としての人間。
「ーのからだにこんな苛酷な労働が堪えられるはずが無い
新明解国語辞典 第八版 より
これさー絶対書いた人苦労してるよね。
なんならこの辞典、編集した人なのか書いた人なのか分からないけど、ちょこちょこと何かしらの強いメッセージを感じる。
それは例文に表れていたり説明文に表れていたり。
憎い
相手のとった自分(や自分に近い存在)に対する言動をなんとしても許すことが出来ず、機会があれば復讐したいという感情をいだく様子だ。
新明解国語辞典 第八版 より
いいですか、お分かりいただけましたか?
感情をいだく様子「だ」!
強いですねぇ…強い意志が見えます。なんなら内から湧く邪悪な何かを握り拳で制御しながら説明しているようにも思います。
これね、例文には「私をだました男がー」という一例が載ってるんですけど、何があったんですかね。
機会があれば復讐したいという感情を抱くほど憎むだなんてよっぽどな目に遭ったのでしょうか。
ビキニ
乳の部分と下腹部とをそれぞれ申しわけ程度におおっただけの、セパレーツ型の女性の水着。
新明解国語辞典 第八版 より
遊園
遊び場所の無い都会人のいこい場所として作られた施設。
新明解国語辞典 第八版 より
そうか…ということは田舎は遊び場所のあるいこい場所が多いというのか…
遊ぶということの概念が違うのだろうか…田舎住みの私にとっては都会の方が遊ぶ場所多い気がするけどな。
ま、まぁこちらにも?(車で1時間圏内に)遊園地ありますし?都会人ってことでいいですかね?
……そういえば、ザ遊園地みたいなのって見たこと無いなぁ…
テレビで見ているような遊園地って地元にあるんだろうか?
恋愛
特定の相手に対して他の全てを犠牲にしても悔い無いと思い込むような愛情をいだき、常に相手のことを思っては、二人だけでいたい、二人だけの世界を分かち合いたいと願い、それが叶えられたと言っては喜び、ちょっとでも疑念が生じれば不安になるといった状態に身を置くこと。
新明解国語辞典 第八版 より
苦しい。でもなんて美しいんだ…
思春期の感じもするし、そうかもしれないなぁとも思う。が、管理人はどっちかというと恋愛に関しては第四版の方がしっくりくるような気もする。
特定の異性に特別の愛情をいただいて、二人だけで一緒に居たい、出来るなら合体したいという気持ちを持ちながら、それが、常にはかなえられないで、ひどく心を苦しめる・(まれにかなえられて歓喜する)状態。
新解さんの謎 より
合体!!!
ちなみにそういう行為に及ぶことを第四版では『合体』と称しております。
いいね!取り繕うより生々しいよ!リアルだね!
女でも合体したいという気持ちはありますが、この説明文は完全に男を感じますね!
不思議だね。
新明解国語辞典は小説
恋愛の項目を見ていただけると、わかると思うのですが、第八版はだいぶマイルドになった説明になっております。
ちなみにね、第四版の「動物園」は冒頭で紹介した「新解さんの謎」に収録されています。
第四版はかなり批判があった問題児のような辞書です。
けど、すごく人間味に溢れていて分かりやすい辞書だなぁと管理人は思います。
なぜがオムニバスSSSみたいな要素もあるよね、第四版。
かなり前の辞書ということもあって、なかなか手に入りにくい&辞書って結構な金額するので第四版の雰囲気に浸ってみたい方はマジで「新解さんの謎」オススメです。
読んでくれてありがとうございます!
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